老後の家計、何にいくら使ってる?見直しで見える安心
老後の生活費、漠然とした不安はありませんか?
これから先の生活を考える上で、お金のことは多くの方が気になる点かと思います。「このままの生活で大丈夫だろうか」「将来、お金が足りなくなるのでは」といった漠然とした不安を抱えている方もいらっしゃるかもしれません。
特に、現役時代のように定期的な収入がない場合、貯蓄を取り崩しながらの生活では、ご自身の生活費が毎月どれくらいかかっているのか、何にいくら使っているのかを把握することが、安心につながる大切な一歩となります。
この記事では、老後の生活費を見える化し、無理のない範囲で見直しを行うための、分かりやすいヒントをお伝えします。お金の流れを知ることで、漠然とした不安が整理され、心穏やかな毎日を送るための助けとなるでしょう。
まずは「何にいくら使っているか」を知ることから始めましょう
生活費の不安を和らげる最初のステップは、ご自身の家計の現状を把握することです。つまり、「何にいくら使っているか」を正確に知ることです。これが「見える化」ということです。
「家計簿なんてつけたことがない」という方もいらっしゃるかもしれませんが、難しく考える必要はありません。ご自身が一番やりやすい方法で試してみてください。
- レシートや領収書を集めてみる: 1週間分でも1ヶ月分でも構いません。何にどのくらいお金を使ったかが記録されています。
- 通帳やカードの利用明細を確認する: 引き落とされている金額や、カードで支払った金額を確認できます。
- 簡単なメモを取る: 大きな買い物をした時や、現金で支払った時に、簡単に書き留めておくだけでも違います。
すぐに完璧を目指す必要はありません。まずは1週間や1ヶ月など期間を決めて、お金を使った記録を集めてみましょう。そして、それらを「食費」「光熱費」「医療費」「趣味・交際費」といった項目別に書き出してみるのです。ノートに手書きでも、大きな紙に書いて貼っておいても良いでしょう。
ご自身の支出が「見える化」されると、「思ったより〇〇に使っているな」「これはもう少し抑えられるかもしれない」といった気づきが必ずあるはずです。
代表的な支出項目と見直しのヒント
ご自身の支出が項目別に分かったら、次はその内容を少し詳しく見てみましょう。いくつかの代表的な支出項目について、見直しのヒントをご紹介します。
食費
日々の生活に欠かせない食費は、家計の中でも大きな割合を占めることが多い項目です。
- 買い物の工夫:
- 買い物に行く前に、何が必要かメモをしてから行くようにすると、無駄遣いが減らせます。
- まとめ買いをする場合は、本当に使いきれる量か考えてみましょう。
- 割引されている食材を上手に活用するのも良い方法です。
- 自炊を増やす: 外食や出来合いのものを買うより、ご自宅で調理する方が費用を抑えられる場合が多いです。
光熱費(電気、ガス、水道)
毎月必ずかかる費用です。少しの心がけで変わることがあります。
- 電気:
- 使っていない部屋の電気はこまめに消しましょう。
- エアコンの設定温度を夏は少し高めに、冬は少し低めにするだけでも節約になります。無理のない範囲で調整してください。
- 水道:
- 食器洗いや歯磨きの際に、水を出しっぱなしにしないよう気をつけましょう。
- 契約プランの見直し: 電力会社やガス会社の料金プランを見直すことで、安くなる場合もあります。もし難しければ、ご家族に相談してみるのも良いでしょう。
通信費(電話、インターネット)
スマートフォンや自宅のインターネットにかかる費用です。
- プランの見直し: ご自身の利用状況に合わない高いプランを契約していることがあります。使わないサービスが含まれていないか確認し、より安価なプランがないか検討してみる価値はあります。ご家族や詳しい方に相談しながら進めるのがおすすめです。
医療費・介護費用
これらは予測が難しく、いざという時に大きな費用がかかる可能性のある項目です。
- 制度の活用: 日本には高額療養費制度(医療費が高額になった場合に、自己負担額に限度額が設けられている制度)など、医療費の負担を軽減する制度があります。これらの制度について、お住まいの市区町村の窓口や、かかりつけ医に相談してみると良いでしょう。
- 日頃からの健康維持: 医療費を抑えるためには、何よりもまずご自身の健康を維持することが大切です。適度な運動やバランスの取れた食事を心がけましょう。介護予防に繋がる地域の活動に参加することもおすすめです。(健康維持や地域活動については、当サイトの別の記事でもご紹介しています。)
趣味・交際費
生きがいや心の豊かさに繋がる大切な支出です。
- メリハリをつける: 全てを削る必要はありません。本当に大切だと思うこと、喜びを感じることに費用をかけ、そうでない部分は抑えるなど、ご自身にとって心地よいバランスを見つけましょう。
- 無料や安価な選択肢: 地域が提供する趣味のサークルや、図書館の利用など、費用を抑えながら楽しめる方法もたくさんあります。
その他の支出(保険料、ローン、サブスクリプションなど)
毎月決まって引き落とされる固定費です。
- 定期的な確認: 加入している保険が今の状況に合っているか、不要なものはないかなどを定期的に確認してみましょう。
- 不要なサービスの解約: 利用していない有料サービス(サブスクリプションなど)があれば、解約することで節約になります。
見直しを続けるためのコツ
家計の見直しは、一度行えば終わりではありません。より安心な状態を保つために、いくつかコツがあります。
- 完璧を目指さない: 最初から全ての支出を細かく把握したり、一気に節約しようとしたりする必要はありません。「これならできそう」と思える項目から一つずつ取り組むことが大切です。
- 定期的に見直す: 1ヶ月に一度、3ヶ月に一度など、期間を決めてご自身の支出を振り返る習慣をつけると良いでしょう。生活状況の変化に合わせて見直しを行うことで、より現実的な家計管理ができます。
- 家族と共有する: もしご家族と一緒に生活されている場合は、お一人で抱え込まずに、家計の状況や見直しのことについて話し合ってみましょう。協力することで、よりスムーズに進むことがあります。
まとめ:支出を知ることが安心への第一歩
老後の生活費に対する漠然とした不安は、お金の流れを「見える化」し、把握することから具体的な対策へと変わり、安心へと繋がっていきます。
まずは、ご自身の毎月の支出が何にどのくらいかかっているのかを知ることから始めてみてください。そして、ご紹介したヒントを参考に、無理のない範囲で支出の見直しに取り組んでみましょう。
全てを完璧に行う必要はありません。できることから少しずつ取り組むことで、ご自身の家計の状況がクリアになり、将来への漠然とした不安を減らし、心穏やかに毎日を過ごすための大きな一歩となるはずです。